白井市梨業組合研究部 令和2年の取り組み

今年の取り組みとして令和元年に取り組んだカブリダニの導入を引き続き取り組みつつ安定的な技術を確立することとしました。
カブリダニとはどういったものかというと、ダニを食べるダニの事で普通に存在しているものなのですが、エサのダニが多くいなければカブリダニは花粉などを食べて細々と生きています。
ダニの何が問題なのかというと梅雨明け後の高温期にダニが爆発的に繁殖することで光合成に必要な葉にとりつき深刻なダメージを与えることになるからです。
梅雨明け直後の一番カブリダニが欲しい時期にはその絶対数が足りない為、不足分を補うためにカブリダニを導入します。

環境に優しい生物農薬としてのカブリダニ

農産物を安定的に大量生産する場合、どうしても化学農薬を大量に使用しなければなりません。
一番農薬を使用したくないのは、使用している農家本人なのです。
農薬を使用することは農薬の性質を知り、何を・いつ・どのタイミングで使うのか・どの農薬とどの農薬を混用してはいけないのかなど色々な知識も必要となります。

生物農薬としてのカブリダニをすぐにでも使いたいのは山々ですが、すぐには導入するわけにはいかないのです。
まずは導入するカブリダニが海外からの輸入品でかなり高価でデリケートな代物なのです。
畑にいるハダニは全く効果のない農薬に敏感に反応してしまい死んでしまいます。
ですから、カブリダニの導入2週間前、ものによってはシーズンに入ったら使用できない農薬が存在するのです。

令和元年は導入する方法を学ぶためのプロローグであり、使用する農薬を選定し、葉の下を走り回るカブリダニを見つける事(観察眼)を養うために費やしました。
順調にことが運ぶことは稀です。
農薬を減らしたいと思ってもそれに代るものが無ければ減らすことはできません。
解決すべき課題は沢山あります。
すぐにできるとは思ってはいませんが、可能性があるのなら今から挑戦しなければ手遅れになってしまいます。

研究部 中村 満寿雄

新着情報はこちら
イベント情報はこちら
梨農家さんのインタビューはこちら