梨の栽培における日々のデータを蓄積して分析をする事で、しっかりと根拠に基づいた梨の栽培をされている東光園の中嶋洋平さん。
お父様の健次さんと家族で梨を栽培されていて、お子様2人の優しいパパでもあります。
今回は梨が本当に大好きという中嶋さんにインタビューさせていただきました。
— 梨の栽培をこの土地で始めてどのくらいでしょうか?
- 中嶋さん
-
約75年前から始めたと聞いています。
1943年頃に祖父が戦争に行く前に植え、曽祖父が世話をしていたようです。
竹で作った設備で、親戚と一緒に作っていたそうです。
人手が必要だったり、竹は一年で腐ったりと大変だったと思います。
- インタビュアー
- 中嶋さんが梨に携わるようになってどのくらいでしょうか?
- 中嶋さん
- 今年33歳ですが、就農して15年目です。
- インタビュアー
- とても早くから就農されたのですね。
- 中嶋さん
-
そうですね。
梨について早く勉強する為、2004年から就農しました。
- インタビュアー
- 梨農家になろうと思ったきっかけはあったのですか?
- 中嶋さん
-
夏休みは毎日、直売所で遊んでいました。
毎年毎年、同じお客さんが『美味しかったから今年も宜しくね。』と言って頂けたのが嬉しかったです。
そして何よりも自分自身、梨が好きなのが一番の理由だと思います。
18歳という若さで梨農家になった中嶋さん。
幼い頃から梨には親しみがありました。
— 東光園で取り扱っている商品を教えてください。
- 中嶋さん
- 幸水・豊水・あきづき・新高の4品種を直売所で販売しています。
- インタビュアー
- 美味しい梨を作るために工夫されている事はありますか?
- 中嶋さん
-
当園の梨はその日に一番美味しい旬の梨を1つ1つ、色周りを見ながら収穫するようにしています。
日々異なる自然環境にも順応できるよう、可能な限りデータとして残しておく事で今後の梨栽培をする時の研究材料にしています。
どんな環境でも毎年同じ品質の梨を提供していくことが大切です。
- インタビュアー
- どのようなデータをとっているのですか?
- 中嶋さん
-
日々の日照時間や潅水(かんすい:水やりのこと)の割合をデータとして記録しています。
今までは長年の感覚や経験則にのっとって行われていた、梨の栽培方法をデータに裏付けする事で梨の栽培環境の最適化、品質向上に繋げるよう試行錯誤しています。
梨の品質向上のため、データ化して研究します。
スマホ片手に栽培する姿は、若い梨農家さんならでは。
— 梨農家をやっていて大変な事はどんな事でしょうか?
- 中嶋さん
- 収穫の時期だけでなく、1年を通して管理作業を行なっていることですかね。
- インタビュアー
- 消費者は夏の収穫時期ばかりに目が行きがちですが、生産者の方は365日お休みがないのですよね。
- 中嶋さん
-
そうですね。
畑にいけば色々やることがあります。就農してから気づいたんですが、4月に花が咲いてから8月の収穫までの4ヶ月の間に、遅霜、雹、突風、干ばつ、台風と、気候の影響がどうにもならないので大変です。(汗)
他にも害虫、病気と収穫までに色々な問題があってとても気を使います。
天候や害虫などの防止のため、園全体にネットを張っています。
— 梨農家をやっていて良かったと思うのはどんな事ですか?
- 中嶋さん
- 夏は毎日、梨が食べられます。梨好きには堪らないですね。
- インタビュアー
- 本当に梨が好きなんですね。
- 中嶋さん
-
はい、大好きです。
梨畑は頭上に梨の葉、足元には雑草があり、上下から良い空気を感じられます。
梨畑で四季を感じ、天候に泣いて笑って無事に梨を収穫する時の喜びは何年経っても変わりません。
梨が大好きな中嶋さんに愛情いっぱいに育てられている梨の木。
梨園は、緑が生い茂る時期は特に綺麗です。
— 今後チャレンジしていきたい・していることを教えてください。
- 中嶋さん
-
チャレンジしている事は結構ありますね。
まずは、潅水(かんすい)施設を整備しました。
スマートフォンでデータを見ながら水の量を調整したりして、データに残しています。
アメリカやイスラエルの農家では結構導入されている仕組みです。
- インタビュアー
-
スマートフォンで水の量を調整できるなんてすごいですね。
作業効率化とデータを蓄積の両方ができるのですね。
- 中嶋さん
-
次に先ほども言いましたが、ジョイント栽培方式を少しずつ採用しており、作業動線を整える事によって全体の作業効率化を図っています。
あとは育苗(いくびょう)センターで育てている梨の木のプロトタイプ(育苗センターに提供する梨の木の原型)の作成にも協力しています。
当園のジョイント栽培している苗木もプロトタイプの一部だったりします。
- インタビュアー
- 様々な新しいことにチャレンジされているのですね。
- 中嶋さん
- チャレンジしている事が多くてとても大変ですが、充実しています。
このチューブから点滴のように水を与えています。
— 中嶋さんのお気に入りの1本
中嶋おすすめの木は、新しい栽培方法のジョイント仕立てを導入した梨の木。
作業性、梨の品質の均一性が良くなるのが特徴です。
手に取っている枝から来年には梨が収穫できるそう。
— 中嶋さんの好きな品種
中嶋さんが1番好きな梨は【豊水】。
酸味と甘みのバランスが絶妙。
収穫しながら梨畑で試食する際、ついつい一つ食べてしまうんだそう。
一般的に食べやすいのは幸水だそうで、初めての方は幸水から食べてみるのがオススメとのことでした。
— 白井市内でよく行く場所・お店
蕎麦なら【孫新】、寿司は【魚魚家(ととや)】、鰻は【河太郎】、夜なら焼き鳥の【慎八】とたくさんのお店を紹介していただきました。
【孫新】
【魚魚家(ととや)】
【割烹 河太郎】
【やきとり慎八】
子供との遊び場は、【白井総合公園】がオススメ。
広い公園で散歩にも良いそうです。
休憩時の木陰として植えたもみの木がお気に入り。
夏場はここで毎日たくさんの梨を食べている中嶋さん。
若い梨農家さんですが、データ化して分析し、研究熱心な姿が印象的です。
その日に取れた旬の梨を提供してくれますので、是非、直売所に足を運んでみてくださいね!
東光園ホームページでは、梨へのこだわりや中嶋さんのブログ、ツイッターなどを掲載していますので是非ご覧ください!
*2018年時の取材となります