白井市で3件しかない観光梨園(梨狩り)を運営されている小川梨園さん。
こちらの梨園では白井市唯一の幸水の梨狩りを行っているので、幸水の時期は大変賑やかになるそうです。
NHKなど多くのメディアにも取り上げられている小川梨園さんのご夫婦に、白井市の梨の将来についてお話を伺いました。
— 梨の栽培を初めてどのくらいになりますか?
- 博さん
-
子供(三男)が生まれた頃に梨の木を植えたので35年になりますね。
自分たちの親の代は違う野菜をこの地で育てていましたが、私たちの代になってから梨の栽培を始めました。
徐々に野菜の作付け面積を梨に移行していき、梨に切り替えてから35年になりました。
— 元々野菜を育てられていたという事でしたが、梨を栽培するきっかけはあったのでしょうか?
- 博さん
- やはり収入面を考えてかな。。
- 富江さん
-
そういった意味でも夢がありましたし、親戚が梨の栽培をしていたというのが理由としては大きかったりします。
それでうちも梨をやってみようかなと思ったのもきっかけですかね。
元々、梨の栽培をやってみたいという気持ちもあったので、親戚に教えてもらって始めることにしたのです。
すぐにはうまく作れませんでしたが、試行錯誤して徐々に梨の作付け面積を増やしていきました。
- 博さん
- 最初は4反(1反がおよそ1,000㎡)から始めたんですよ。
- インタビュアー
- 一念発起というより、自然の流れで梨を栽培する事になったわけですね。
- 博さん
-
そうですね。
まぁ、畑を守らなければいけないというのもありましたしね。
- 富江さん
-
最初は知らない事だらけでしたので、皆さんに教わりながら少しずつ栽培のコツを掴めるようになりました。
初期は失敗の繰り返しでしたね…
35年前、ご夫婦で試行錯誤しながら梨の栽培を始めました。
— 取り扱い品種を教えてください。
- 博さん
-
幸水・豊水・新高・かおりの4品種ですね。
他にもあきづきなどの品種も栽培していますが、販売できるほどは収穫できていませんね。
- インタビュアー
- 観光梨園をメインで運営されているとお聞きしていますが、開園するのはいつくらいからですか?
- 博さん
-
大体7月の下旬くらいからですね。
通常、梨狩りが始まるのは幸水が収穫できるあたりからになりますが、当園の梨狩りは幸水が収穫できるタイミングで開園致します。
白井市で梨狩りができるのは3つの園ですが、幸水の梨狩りができるのは当園のみとなります。
- インタビュアー
- 幸水の梨狩りがこちらだけというのは正直驚きました。
幸水の梨狩りができるのは小川梨園さんだけ。
— 美味しい梨を作るためにこだわっている事はありますか?
- 博さん
-
当園では肥料にこだわって梨の栽培をしています。
有機肥料をふんだんに使っていますね。
その中でも、米ぬかはかなり撒いていますね。
- インタビュアー
- 米ぬかを大量に撒く事でどのような効果がうまれるのですか?
- 博さん
-
梨の甘みが強くなりますね。
当園では甘みの強い梨を作りたいので、梨の栽培を始めた時から米ぬかはたくさん撒くようにしていますね。
毎年10トン近くの有機肥料を茨城の美浦センターから仕入れて、土壌に撒いています。
これも梨の甘さに影響します。
こういった理由で当園の梨はとても甘く仕上がるようになっています。
有機肥料を使用することで、甘い梨ができあがります。
— 梨の栽培をしていて一番大変だった事は何ですか?
- 博さん
-
春の寒暖差で発生する、霜ですかね。
あれが一番心配しています。
霜が張ると梨の花が全滅してしまう危険があるんですよ。
そうなると、実もできないので当然、梨も採れなくなります。
春になると毎日、霜の事ばかり気にしています。
気象台に連絡して霜が張るようだったら急いで網を広げて備えます。
そして朝にはその網を撤収するのですが、それがとても大変ですね。
網をどかさないと蜂が入れないですからね、受粉に必要な大事な工程を促す為に網は逐一どかさなければなりません。
なので網を1日かけっぱなしにはできないのです。
- 富江さん
- この作業がとにかく大変なんです。
- インタビュアー
- この作業はいつから始めたのですか?
- 富江さん
-
当園では防災網を張るようにしてからずっと続けています。
毎年5,6回は必ずやっていますね。
昔はドラム缶なんかで火を焚いて霜がおりるのを防いだりしていたんですけどね。
- 博さん
- それがとにかく大変で梨を栽培していて大変な事ですかね。
梨の花が霜でやられないよう、苦労が絶えません。
— 梨を栽培していて楽しかった事はなんですか?
- 富江さん
-
えー、楽しかった事なんていっぱいありますよ!
まず第一に梨狩りを多くの方に楽しんでいただける事ですね。
毎年多くの方に来ていただいており、駐車場もそれに合わせて広くしました。
もぎたての梨をその場で食べていただける事や後日、梨狩りを体験した人がレビューを書いてくれるんですけど、そのレビューに美味しかった・楽しかったというように書かれているととても幸せな気持ちになります。
また来年もお客様に喜ばれるように美味しい梨を育てなきゃ!と思わせられます。
同じお客様がリピートで利用していただき、そのお客様が他のお客様に当園の事を紹介してくださるのでとてもありがたいです。
- インタビュアー
- 梨狩りは、お客様と直接触れ合うことができる貴重な場ですね。
可愛らしい奥様の富江さん。
梨狩りに来てくださるお客様との交流を楽しみにしています。
— 今後チャレンジしていきたい事はありますか?
- 博さん
-
インターネットを使って梨の販路を拡大していきたいですね。
もっと多くの人に白井の梨が美味しい事を広めていきたいと思っています。
若い人はあまり直売所に来られないですからね、直売所には年配の方が来られる事がほとんどだったりします。
- 富江さん
-
若いお客様も来られますけど、年配の方よりかは購入される個数も少ないですね。
昔の人はたくさん買って近所におすそ分けしたりしますが、今の若い方はそういった風習もあまりないのかもしれませんね。
- 博さん
-
昔と違って、仲人やお中元・お歳暮といった贈り物の習慣も薄れてきてしまっていますからね。
寂しい限りです。
- インタビュアー
- 今まで小川梨園さんを利用した事がなかった若い方に知ってもらうために、ホームページを使った集客を今後はしていきたいという事ですね。
- 博さん
-
そうですね。
私はそういった新しい事にチャレンジしていかないと将来は明るくないと思っています。
- 富江さん
-
若い人もきっかけがあれば知り合いに送ったりしますからね。
そういった所からコミュニケーションが取れたりもしますよね。
インターネット販売にも前向きなご夫婦。
新しいチャレンジに向けて頑張っています。
— 小川さんご夫婦のお気に入りの1本
ご夫婦おすすめの木は、こちらの新高の木。
長い間、たくさんの梨を実らせてきました。
— 小川さんご夫婦の好きな品種
ご夫婦ともに1番好きな梨は【幸水】。
一般的に梨は幸水が多く、甘さもあり、その年に一番最初に採れるというのが理由のようです。
— 白井市内でよく行く場所・お店
白井総合公園の前にある野菜直売所【こみちの駅】がおすすめ。
採れたて野菜の直売やランチ、軽食、お惣菜のテイクアウト、サイフォンで淹れたてコーヒー、かき氷がいただけます。
梨狩りでお客様と直接触れ合える機会をとても楽しみにされている小川さんご夫婦。
梨を通じて人と人が繋がるコミュニケーションを大事にされています。
有機肥料で丁寧に作られた梨からも、心温かなご夫妻が想像できますね。
ぜひ梨狩り体験をしに行って頂きたいです。
小川梨園ホームページでは、梨へのこだわりや梨狩り体験、よくあるご質問などを掲載していますので是非ご覧ください!
*2018年時の取材となります