— 梨の栽培をこの地で始めたのはいつ頃ですか?
- 茂さん
-
先代から始めたので65年になります。
自分が生まれた年に長十郎という梨を植えたのが始まりです。
父の実家が白井市で梨の栽培を古くからやっております。
- 寿子さん
- 先々代は都内で商売を営んでいました。
先代から受け継がれる梨の木は、どれも立派です。
— 高橋さんが梨に携わるようになってからは、どのくらいになりますか?
- 茂さん
-
私が梨に携わるようになってから47年になりますね。
元々は梨農家ではなく、外にでるつもりでしたが長男という事もあり就農する事になりました。
- インタビュアー
- それが梨農家になるきっかけというわけですね。
- 茂さん
- そうですね、父に口説き落とされました。(笑)
- 寿子さん
- 時代が今とは違ったのもありましたからね、長男が跡を継ぐというのが時代の流れとしてもありましたね。
- 茂さん
- 当時は海外に行きたいという思いがあり・・・移住したかったですね。
就農して47年間、毎日梨を育ててきました。
— 高橋果樹園さんで取り扱っている梨の品種を教えてください。
- 茂さん
- 幸水・豊水・あきづきを取り扱っています。
- 寿子さん
-
新高も取り扱っていましたが、今はこの3品種に絞っています。
お客様からの要望もこの3品種が多いですね。
当園の場合は豊水が一番人気がありますが、あきづきも年々人気が出てきております。
また、幸水・豊水・あきづきと月をまたいでご注文いただけるお客様も多数いらっしゃいますね。
— 美味しい梨を作る為に工夫されている事はどのような点でしょうか?
- 茂さん
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まずは園の管理から徹底しています。
当園では40年以上除草剤を使っておらず、草刈りは頻繁に行っています。
例えば資材にしてみても、枝を引っ張る時に誘引する紐が他の梨園では紙系統が多いようですが、うちでは麻系統のものを使っています。
3年で使えなくなってしまいますが、こちらの方が土に戻る事ができますし、環境に良いのです。
剪定して出た枝もその日のうちに自分の所でチップにしているので、一切燃やしませんね。梨の発育促進材、ジベレリンをつけて早く大きく育つようにするのですが、当園では一切使っておりません。
そういった理由もあり当園の梨は他園の梨よりも少し遅く収穫され、出荷されます。
- 寿子さん
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そして樹上で完熟直前まで待ち、お客様の手元に届くときに、完熟した美味しい状態で召し上がれるように収穫します。
そういった理由もあり、当園では発送日や配達日の指定は承っておりません。
梨が美味しい状態になったら出荷させていただくようご理解をいただいております。新鮮な完熟の梨を楽しんでいただく為に、その日の朝に収穫した梨をその日の午後には出荷させていただいております。
特に豊水に関しては、梨の赤らみがとまったりした場合は収穫時期でも1日遅らせて完熟するのを待ってから収穫する時もありますね。そういった日々の努力がお客様にもしっかりと伝わっており、当園の梨を食べたお客様がまた新たなお客様に紹介いただき、そのお客様がまた当園の梨を注文していただき、長年ご愛好いただいております。
- 茂さん
-
次に肥料ですね。
当園では完熟堆肥・魚粉といった有機肥料をできる限り多く施肥(せひ)しております。
- 寿子さん
- 20年以上前に最初のホームページを試行錯誤で作ってから、インターネットと口コミ、紹介でお客様が全国に広がっていきました。リピート率が高いため、パソコンを活用した徹底的な顧客管理と、案内・受注・発送までの販売管理の効率化だけでなく、梨がお客様の手元に無事届くまで責任をもって対応することで、お客様との信頼関係も深まっていきました。これは今後も大切にしていきたい当園の姿勢です。
徹底的に管理された園はとても綺麗でした。
— 梨を栽培していて大変だった事はなんでしょうか?
- 寿子さん
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36年くらい前の、、、7月の末でした。
真夏の日に人の拳ほどの大きさの雹が降り、当園は壊滅的な雹の被害を受けました。その頃は梨園にネットも張っていない時期でしたので、雹によって梨の木が打撃を受けてしまい、その後2年間梨が全く収穫できなくなりました。
あの時は本当に大変でした。その後にも1度雹の被害があり、自宅近くの畑がネットを張っていなかったので被害に遭いました。
その時は他の場所にある畑は大丈夫だったので、全く収穫できないという事はなかったですがとても厳しい状況でした。
その頃はもう注文も相当数多くなっていたので、すべてのお客様に電話で事情を説明して理解していただき、数や品種変更等お願いしましたが、皆さんから「大変ですね、大丈夫ですよ」と言っていただき、とてもありがたかったのが忘れられません。
白井市でも過去に大きな雹被害がありました。
厳しい環境の中でも、ご夫婦で乗り越えてきました。
— 梨農家を続けて良かった・楽しかったと思うのはどんな時でしょうか?
- 茂さん
- 定年がない事と自分のやり方次第で結果が変わる事ですね。
- 寿子さん
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私は、創意工夫して働いた成果が見られる事が一番嬉しいですね。
梨を中心に多くの人と繋がる事ができ、心がとても豊かになりましたね。
梨について楽しそうにお話してくださる茂さん。
— 今後チャレンジしていきたいことはありますか?
- 寿子さん
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白井市内でやっているイベントで梨のPRの一環として梨の料理やお菓子を作るコンテストとかやってみたいという気持ちはありますね。
梨を利用したコンテストみたいなものもあったらいいなと思いますね。
今後もお客様に愛される梨を作っていきたいです。
できる限り、梨を続けたいと思っています。
案内用パンフレットなどの梨のイラストは、奥様の寿子さんが手がけたもの。
— 高橋さんの好きな品種
高橋さんが1番好きな梨は、ご夫婦ともに【豊水】。
ただ、各品種も旬な時期はどれも美味しいですよと笑顔で話されていました。
— 白井市内でよく行く場所・お店
奥様の寿子さんがオススメするのは【白井運動公園の桜】。
満開の桜はとても綺麗で、芝生が整備されているのでお花見もできるそう。
実は地元の人にも意外と知られていない隠れスポット!
閑静な公園でお散歩にも良いとのことでした。
そのほかに、平塚地区の竹林もオススメしてくれました。
【白井運動公園の桜】
また、白井総合公園の向かい、千葉白井病院の隣にある【こみちの駅】もご紹介いただきました。
手作りのお弁当や食事がとてもおいしいです。
こちらの「季節限定梨のスムージー」の材料は、高橋果樹園さんの梨が使われています。
また、収穫期には高橋果樹園さんの梨(ご家庭用)を販売しています。
【こみちの駅】
— 高橋さんの家族
名前は「五郎丸」。
隣家に住む長女の愛犬ですが、犬好きの茂さんにとてもなつき、お孫さんたちと一緒にいつも家の庭や梨畑で遊んでいます。
お気に入りの梨の木の前で。
お話を聞いていて、ゆったりとした優しいご夫婦の梨が永く愛されてきたのが分かります。
自然環境にも配慮した梨作りをこれからも続けていただきたいです。
高橋果樹園ホームページでは、梨の販売情報や当園の梨へのこだわりを掲載していますので是非ご覧ください!
*2018年時の取材となります